きいまの日記

趣味や食べものなど興味のあることを気ままにつづるブログです。

【読書日記1】「『罪と罰』を読まない」 発想がぶっ飛んでいる4人の読書会。本嫌いにもおすすめ。

こんにちは。きいまです。

今回は最近読んだ「『罪と罰』を読まない」のお話しです。岸本佐知子さん、三浦しをんさん、吉田篤弘さん、吉田浩美さんの4人が『罪と罰』を読んでいないにも関わらず、読書会を開催するという(!)ユニークな本です。『罪と罰』を読んだことがない人にはもちろん、読書が苦手な人にもおすすめです!

 

 

 

読まないのに、読書会をするとは?!

 

美容院で雑誌を読んでいた時に、最後のほうの本を紹介するコーナーでこの「『罪と罰』を読まない」の記事を読みました。題名を読んだだけでにやけてしまいました、何ておもしろいことを考えつく人たちなのだろうと!それも著者には三浦しをんさんや吉田篤弘さんの名前が。大好きな作家さんなので、これは読むしかねえ!と題名を記憶するがために頭のなかで念じていました。(それくらいひと目で覚えろ)早速その足で本屋に行き、本を探すのにまあまあの時間を取られつつも購入。

みなさんロシアのドストエフスキーの『罪と罰』読んだことありますか?わたしは読んだことありません!趣味は読書♪なんて言っておきながら恥ずかしいことです。が、今回読書会をする4人の方々もそうなのです。翻訳家の岸本佐知子さん、作家の三浦しをんさん、またまた作家の吉田篤弘さん、篤弘さんとご夫婦で作家で装幀家吉田浩美さん。このような方々が『罪と罰』未読というのはなんだか勇気づけられます。しかもその未読の状態のまま、どこかで見たり聞いたりした『罪と罰』についての頭の片隅の記憶を頼りにしながら読書会を開催するのです。

 

 

推理という名の妄想が炸裂!!

 

読んだことのない小説で読書会をするとどうなるのか。断片的な記憶からの妄想が始まります(笑)ちなみに4人の断片的な記憶だけではどうしても読書会が進んでいかないだろうということから、最初に『罪と罰』の最初のページと最後のページが配られ、段階的に1部~6部までの何か所かを4人がページを指定して立会人が読んでくれます。

部分的に小説を読めるからと言って、それはほんの一部です。そこから4人は推理していくわけですが、その推理がおもしろくて笑ってしまいます。居酒屋で、ユニークで頭のよい人たちの会話を盗み聞ぎしているような気分です。

4人とも小説にまつわるお仕事をされているだけあって短い文章の中でも前後を読み取って推理していかれるのは尊敬してしまいます。(もちろん間違っている部分もあります)4人とも妄想たくましいですが、特に三浦しをんさんの妄想は突飛でおもしろく、妄想が行き過ぎるところもありますが、鋭く推理しているところもあって、さすが人気作家さんだなと思います。

また4人の『罪と罰』についての知識がまちまちなのですが、吉田浩美さんが以前『罪と罰』の子ども向け影絵番組を見ていることから、少し他の3人と比べて知識があり上の立場にいるところもおもしろいです。「影絵的にはこうだったよ」とか「影絵的にはどうでしたか?」とか‟影絵的”という言葉が頻繁に使われはじめ、この読書会のなかでの普通になっていくのですが、冷静になってみると‟影絵的”って一体何なんだ、とつっこみを入れたくなります。

 

『罪と罰』を読まない 岸本佐知子・三浦しをん・吉田篤弘・吉田浩美

罪と罰』を読まない 表紙も影絵的

 

今なら読めるかも、、『罪と罰

 

「『罪と罰』を読まない」を読んだ今、『罪と罰』を読めるような気がしています。

4人とも少し口が悪くて(普通に”ばばあ”とかでてきます)難解な世界的名作について語っているとは思えなかったり、作家や登場人物にあだ名をつけたり(ドスト、ラスコ、マメ父などなど)しながら推理していくので、『罪と罰』が身近に感じられます。未読のまま読書会が行われた後、『罪と罰』を読んでから読後の読書会が開かれることになりますが、(これが本来の読書会ですね(笑))4人とも『罪と罰』を絶賛しており、つい読みたくなってしまいます。この読書会を読む限りでは『罪と罰』は割とエンタメで登場人物たちが変人で魅力的でさくさく読み進められるようです。

罪と罰』読むなら今かもしれません。「これが4人が言っていたあの部分か!」といろんな意味で楽しめそうです。「『罪と罰』を読まない」を読んでしまったわたしには無理ですが、『罪と罰』を読んだ後にこの本を読むとどんな感じなのかも気になります。また本嫌いの人には本を読むことのおもしろさを知ってもらえそうな本です。

罪と罰』を読まないまま読むもよし、読んでから読むもよし、本嫌いが一興に読んでみるもよし。さまざまに楽しめる作品になっており、とてもおすすめです。

 

 

 

『罪と罰』を読まない (文春文庫)
 

 

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。